乾癬TOPへ戻る 皮膚科疾患情報TOPへ maruho

用語の解説

皮膚科疾患情報 乾癬(かんせん)
ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 ヤ行 ラ行
ア行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
アウスピッツ現象
乾癬では、発疹の表面に鱗屑(りんせつ)という銀白色の垢(あか)が付着しますが、この鱗屑を無理にはがすと、点状の出血が見られます。この現象をアウスピッツ現象といいます。このアウスピッツ現象は乾癬に特徴的な症状で、ケブネル現象などとともに診断の基準とされています。
エキシマランプ
308±2nmの紫外線を狭い範囲に短時間照射します。発疹の数が少なくても一つ一つの症状が重いときや、照射範囲が狭いとき、被髪頭部などナローバンドUVBが照射しにくい部位などに用いられます。
炎症性角化症(えんしょうせいかくかしょう)
「炎症」と、皮膚の表皮や角層が厚くなる「角化症」が同時に起こる状態をいい、尋常性乾癬は炎症性角化症の代表的疾患です。


カ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
角化(かくか)
皮膚の表面には、細胞が数層から十数層積み重なっている表皮と呼ばれる場所があります。皮膚を構成する細胞は表皮の下から上へ形を変えながら、約1ヵ月かけて移動します。この細胞を角化細胞といいます。角化細胞は皮膚の表面で角層を作り、体を外からのさまざまな刺激から守るバリアーになります。この角層ができる過程を角化といいます。乾癬では角化の周期が4〜5日で終わるほど速くなり、正常の角層ができないため皮膚がポロポロとはがれやすい特徴的な発疹ができます。
活性型ビタミンD3外用薬
活性型ビタミンD3が乾癬に対して有効であることは1980年頃から知られるようになり、効果と安全性を高めるために外用薬として開発が進められました。日本では1993年にボンアルファ軟膏2μg/gが発売され、2000年以降、活性型ビタミンD3を高い濃度で含むオキサロール軟膏25μg/g、ドボネックス軟膏50μg/g、ボンアルファハイ軟膏20μg/gも使用できるようになり、乾癬治療薬として広く用いられています。活性型ビタミンD3外用薬には表皮の細胞の増殖を抑える働き、分化誘導作用と呼ばれる表皮の細胞が増殖して形態を変えていく過程を調整する働き、免疫反応を調節する働きがあり、これらの働きによって乾癬の症状を改善します。また、長期間用いてもステロイド外用薬で見られるような皮膚の萎縮が生じません。活性型ビタミンD3外用薬には以下の種類と剤形があり、1日2回使用するものと1日1回使用するものがあります。使用回数は必ず医師の指示を守ってください。

商品名 オキサロール ボンアルファ ボンアルファハイ ドボネックス
剤形 軟膏
ローション
軟膏、クリーム
ローション
軟膏
ローション
軟膏
成分 マキサカル
シトール
タカル
シトール
タカル
シトール
カルシポ
トリオール
含量(1g中) 25μg 2μg 20μg 50μg
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)
乾癬性紅皮症乾癬の発疹が全身に広がり、皮膚全体の80%以上が紅皮症化した(赤くなった)状態をいいます。最初から紅皮症化した状態で発症する例はまれで、不適切な治療や未治療、薬剤や感染症などの影響で発症するケースが多いようです。

関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)
関節症性乾癬関節症性乾癬は関節リウマチのように関節が腫れたり、痛んだりしますが、関節リウマチとは違う病気です。乾癬の患者さんで関節痛のある場合、関節症性乾癬の可能性があります。しかし、日本では関節症性乾癬の患者さんは乾癬の患者さんの数%であり、乾癬の患者さんが関節症性乾癬を必ず発症するわけではありません。関節症性乾癬の兆候には早朝の関節の痛みや腫れ、こわばりがあります。爪が変形や変色したり浮いてきたりします。関節症性乾癬は関節の障害を引き起こします。また、重症になると手や足の指の関節に変形が認められます。初めに関節障害を発症し、それから乾癬の発疹が出てくる患者さんもいますが、多くは乾癬の発疹が出た後に関節症状を発症します。乾癬の発疹が認められた数ヵ月後に関節症を発症する患者さんもいれば、10年以上後に発症する患者さんもいます。
関節症性乾癬の症状は手と足の指の関節に多く認められます。また、首や背中、ひざ、足首などの関節や仙腸関節などの大きな関節が障害を受ける場合もあります。関節に痛みとこわばり、熱感が認められ発赤を伴う場合があります。特に爪に乾癬の症状があり、指関節に症状が認められる場合は関節症性乾癬の可能性が高いといえます。関節の障害と変形を防ぐために、関節症性乾癬に対する早期の治療が必要ですので皮膚科医師に相談ください。治療には通常、内服薬が組み合わせて用いられます。また、生物学的製剤を用いることもあります。

乾癬の発疹(かんせんのほっしん)
乾癬の発疹には特徴があります。はじめは赤く盛り上がった発疹ですが、それが広がったり他の発疹とくっついたりしながら、次第に鱗屑(りんせつ)と呼ばれる銀白色の垢(あか)が付着した状態となり、かゆみを伴うこともあります。発疹の断面を顕微鏡でみると、表皮(ひょうひ)が伸びている部分と薄くなっている部分があり、血管が拡張して、炎症を起こす細胞が集まっています。

皮膚表面の写真 乾癬の発疹の断面(模式図)
皮膚表面の写真
赤く盛り上がった状態
皮膚表面の写真
白い垢(鱗屑)が付いた状態
乾癬の発疹の断面(模式図)
ケブネル現象
ケブネル現象発疹のない正常な皮膚を掻いたり傷つけたりすると、そこに新たな発疹が出現することがあり、これをケブネル現象と呼びます。ケブネル現象は乾癬患者さんに多く見られる症状ですが、乾癬以外の皮膚疾患でも起こることがあります。
光線療法
光線療法とは、光を人工的に作り出して、それを身体に照射することによって治療するものです。光にはさまざまな種類があり、地球上に届く太陽光線には、紫外線、可視光線、赤外線の3種類があります。可視光線は波長が400〜800nmの太陽光線で、波長の長い順に、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の色(虹の七色)として目で見ることができます。目には見えませんが、赤色より長い波長の光線を赤外線、紫色より短い波長の光線を紫外線(ultra violet, UV)といいます。紫外線は波長の長さによって、長波長(UVA:320〜400nm)、中波長(UVB:290〜320nm)、短波長(UVC:290nm以下)に分けられ、なかでもUVA、UVBには皮膚の細胞増殖や炎症を抑制する働きがあるため、乾癬の治療に用いられます。

太陽光線の種類 全身用紫外線照射装置
太陽光線の種類 全身用紫外線照射装置
 
コンビネーション療法:Combination therapy
2つ以上の療法を組み合わせる方法です。併用により効果を高めるほか、単独で用いる場合に比べて個々の薬の量や光線の照射量を減らすことで副作用を抑えることを主な目的とします。組み合わせとしては外用薬+外用薬、外用薬+内服薬、外用薬+光線療法、内服薬+光線療法などが考えられます。


サ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
シクロスポリン
シクロスポリン
商品名
ネオーラル 10mgカプセル
25mgカプセル
50mgカプセル
シクロスポリンは免疫抑制作用を持つ薬です。1983年に欧州で臓器移植時に用いる薬として開発されました。その後、乾癬に対する効果が認められ、日本においても乾癬の治療薬として使用されています。シクロスポリンは免疫反応を抑制することにより乾癬の症状を改善します。シクロスポリンの使用については使用上の注意と医師の指示を必ず守ってください。



シークエンシャル療法:Sequential therapy
シークエンシャル療法治療初期には効果の高い治療を用い、症状の改善に合わせて段階的に副作用の少ない治療へ移行する方法です。症状をできるだけ長期間良い状態で維持することを目的としています。初めにステロイド外用薬とビタミンD3外用薬を併用して早期に症状を抑え、次に平日はビタミンD3外用薬を用い土日のみステロイド外用薬を使用する方法に移行し、最後にビタミンD3外用薬のみを使用する方法や症状の強い時に内服薬を併用する方法などがあります。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
尋常性乾癬 尋常性乾癬
乾癬患者さんの約90%は尋常性乾癬です。最もよく見られる(普通の=尋常な)乾癬であることからこのように呼ばれています。頭部や肘、膝など、外部からの刺激を受けやすい部位によく発症し、時には全身に広がります。また、約60%の患者さんに爪の変形が見られます。
ステロイド外用薬
ステロイド外用薬は乾癬の治療薬として、50年ほど前から用いられています。より効果が強く、安全性の高いステロイド外用薬の開発が進み、今日でも乾癬の治療薬として使用されています。ステロイド外用薬には白血球の活動や血管の拡張を抑える抗炎症作用と呼ばれる働きと、表皮の細胞の増殖を抑える働きがあります。効果の強さによって下表のように5つのランクに分けられ、症状の程度に応じて使い分けます。1日2回の使用が一般的ですが、使用回数は必ず医師の指示を守ってください。剤形には軟膏、クリーム、ローションがあり、部位に応じて適した剤形を用いることができます。

ステロイド外用薬(日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2009)より抜粋 一部改変(2009年4月現在))


タ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
体質的な要素(たいしつてきなようそ)
乾癬になりやすい体質は遺伝することもあるといわれています。しかし、乾癬になりやすい体質だからといって、必ずしも乾癬を発病するとは限りません。発病にはさまざまな因子が強くかかわっています。

■外的な因子

乾癬の発病、悪化には、次のような外的な因子が強くかかわっています。
不規則な生活 不規則な生活は体の抵抗力を弱め、乾癬を悪化させることがあります。
食生活 カロリーの高い食事(肉類・脂肪分)は乾癬を悪化させるといわれています。
感染症(風邪など) 風邪・扁桃腺炎(へんとうせんえん)などの感染症にかかると乾癬が悪化することがあります。
薬剤 乾癬を悪化させる薬剤には、ベータブロッカーと呼ばれる高血圧の薬、インターフェロン、リチウム製剤、非ステロイド性消炎鎮痛剤などがあります。
ストレス 肉体的・精神的ストレスは乾癬を悪化させるといわれています。
気候 冬は皮膚が乾燥するので一般的に乾癬は悪化します。また、急激な日焼けは皮膚を刺激し、乾癬が悪化することがあります。
■内的な因子
乾癬患者さんは、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満である率が高いといわれています。これらが改善することにより乾癬の症状が良くなることがあります。
滴状乾癬(てきじょうかんせん)
滴状乾癬(てきじょうかんせん)若い人に多く見られ、小さい水滴ぐらいの大きさの発疹が、急に全身に出現します。鼻、喉、歯など、体のどこかに細菌の感染病巣が存在し、それが悪化する時に起こるといわれます。特に扁桃腺炎(へんとうせんえん)が誘因となることが多く、扁桃腺を摘出すると治る場合があります。


ナ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
ナローバンドUVB療法
UVBの中でも治療効果が高く、有害な波長を除いた311〜313nmの波長の光線を使用する光線療法です。従来のUVB療法より治療効果が高く、安全であるといわれています。


ハ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)
汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん) 汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)
汎発性というのは全身性という意味です。発熱、倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が赤くなり、膿疱(のうほう;うみを持った状態)が多発します。放っておくと全身衰弱などにより命にかかわることもあります。この病気は乾癬患者さんの1%ほどに見られ、厚生労働省の難病(特定疾患)に指定されています。





PUVA療法(ぷーばりょうほう)
光線に対する感受性を高めるソラレンという薬を使用し、UVAを照射する光線療法です。PUVA療法には外用PUVA(ソラレンを発疹部位などにぬってからUVAを照射する方法)、内服PUVA(ソラレンを服用したあとUVAを照射する方法)、バスPUVA(ソラレンを含む温水に入浴したあとUVAを照射する方法)の3種類があり、日本では主に外用PUVAが行われています。光に対する感受性が高くなるため外用PUVAや内服PUVAの場合、実施後12時間は日光にあたらないようにする必要があります。バスPUVAの場合はソラレンの効果は速やかになくなるので遮光の必要はありません。


ヤ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
UVB療法
皮膚の細胞増殖や炎症を抑制する働きがある中波長(UVB)の光線を照射する治療法です。PUVA療法のように薬剤を用いる必要がなく簡便に行えますが、UVBには皮膚に有害な波長も含まれているため、現在では有害な波長を除いたナローバンドUVB療法も多く用いられています。


ラ行 >ア行>カ行>サ行>タ行>ナ行>ハ行>ヤ行>ラ行
レチノイド
エトレチナート
商品名
チガソン カプセル10
カプセル25
レチノイドとはビタミンAに似た化学構造を持ち、レチノイン酸と同じ作用を持つ薬のことです。日本では1985年よりレチノイドのひとつであるエトレチナートが、乾癬治療の薬として使用されています。エトレチナートは皮膚の角質細胞の接着力を低下させ、正常な皮膚を再形成する働きにより症状を改善します。また、白血球に働いて症状を改善するとも考えられ、特にRePUVA(りぷーば)療法と呼ばれる光線療法との併用が有効とされます。使用の際は使用上の注意と医師の指示を必ず守ってください。

ローテーション療法:Rotation therapy
ローテーション療法複数の治療を一定期間ずつ、ローテーションを決めて行う療法です。同一の治療法を長期間行うことによる副作用の出現を抑えるのが目的です。例えば、類似した副作用のある光線療法とシクロスポリンは連続して用いず、光線療法→外用療法→内服薬(シクロスポリン)→外用療法、といったローテーションが有効とされます。
ページの先頭に戻る
閉じる